戸籍謄本等の収集・相続人確定

被相続人が死亡したことを証明する書類として、「被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本」はどのような相続手続きでも必要になります。

また、遺言書がない場合には、「遺産分割協議」や「法定相続」によって相続手続きを進めることになります。その際、一部の相続に関する手続きを除いて、「被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本」の収集が必要となります。

このページでは、相続人を調査し、相続人を確定させるための戸籍謄本の収集方法などについて説明していきます。

相続人調査の方法

「被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本」を収集することで、相続人を調査し、確定させることができます。

相続人の調査をする理由は、遺産分割協議の参加者を確定するためであったり、法務局や金融機関での手続きの際に相続関係を証明するためです。

戸籍謄本収集のポイント

出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本一式を収集する際のポイントは、死亡時の戸籍(除籍)謄本から収集していくことです。

出生時の本籍が分かる場合は稀ですが、死亡時の本籍は分かっていることが大半であるため、死亡時の戸籍から遡って収集していきます。

もし、死亡時の本籍が分からない場合は、死亡時の住所地の住民票除票を本籍地入りで請求すると、本籍地が記載された住民票除票を発行してもらえます。

具体的な収集方法

死亡時の本籍地の市区町村の役所に「出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」を請求します。

尚、死亡届を提出してから戸籍に死亡の旨が記載されるまで1週間程度かかります。

上記で全て取得できなかった場合は、

  • 本籍地を他の市区町村に変更(転籍)している
  • 婚姻、離婚により入籍、除籍している
  • 養子縁組、離縁で入籍、除籍している

などが考えられます。

このような場合は、他の市区町村でも同様に除籍、改製原戸籍謄本を請求することになります。

遠方で直接行くことができない場合や平日に役所に行けない場合は、郵送でも請求できます。

郵送で請求する場合、多くの役所で「定額小為替」を使用して費用を支払います。尚、定額小為替は郵便局で購入できます。

戸籍取得の費用は、

  • 戸籍謄本…450円(1通)
  • 除籍謄本、改製原戸籍謄本…750円(1通)

となります。

尚、2024年3月1日から「広域交付制度」が始まりました。この制度により、最寄りの役所で遠方の本籍地の戸籍謄本等も原則として取得できるようになりました。

ただし、この制度を利用して戸籍謄本等を取得する際は、役所で相当な待ち時間が想定されます。

すべての戸籍を集められない場合も…

通常であれば出生まで遡って戸籍謄本等を取得できますが、稀に集められないケースがあります。

それは戦争や火災などで戸籍謄本が焼失している場合です。このような場合、役所によって名称は異なりますが、市区町村から「焼失証明書」など、「戸籍謄本が発行できない旨の証明書」を発行してもらうことで相続手続きに対応していきます。

戸籍の解読は一苦労

上述した広域交付制度により、戸籍謄本等の収集の手間は大幅に緩和されることになりました。

しかし、集めた戸籍謄本等を読み取って、相続人を確定させる作業は依然として必要となります。古い戸籍は手書きで書かれているため、達筆で解読が難しい場合もあります。代襲相続や数次相続がある場合は、収集する戸籍謄本等も多くなります。

また、広域交付制度では、兄弟姉妹の戸籍謄本等は請求できません。したがって、兄弟姉妹が相続人になる場合は、従来通りのやり方で戸籍謄本等を収集する必要があります。

まとめ

戸籍謄本等の収集により相続人を確定させることは、その後の遺産分割協議の参加者を決める重要な作業となります。一部の相続人を除いて行った遺産分割協議は無効となります。相続人の調査は、漏れのないように行うことが肝要となります。

戸籍謄本等の収集について、難しく感じたり、煩雑だと思った方は当事務所にご相談ください。

当事務所では、相続登記や遺産承継業務といった相続に関する手続きをご依頼いただいた際、相続人調査のための戸籍謄本収集の代行を行っております。

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