相続に関する手続きは、煩雑なものが多く、また期限が定められているものもあります。相続手続きは数多く経験するものではなく、手続きについて不明な点も多いかと思います。
このページでは、相続の基礎知識や手続きの流れについて解説し、当事務所で行う業務について説明していきます。
このページの目次
相続手続きの流れ
相続人
誰が相続人になるかは民法で定められています。
被相続人の配偶者(夫婦の一方から見た他方)は常に相続人となります。
被相続人に子がいる場合は、子(養子も含む)も相続人になります(第1順位)。
子がいない場合は、被相続人の父母(父母が亡くなっている場合は祖父母)が相続人となります(第2順位)。
第1順位、第2順位に該当する人がいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります(第3順位)。
相続人は、被相続人の出生から死亡時までの戸籍謄本等を取得することで特定します。戸籍謄本等の収集については、『戸籍謄本等の収集・相続人確定』のページをご覧ください。
相続財産
相続財産には、被相続人が相続開始時に有していた「権利」だけでなく、「義務」も含まれます。したがって、不動産や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。
具体的には次のようなものが相続財産となります。
プラスの財産
不動産(土地・建物)、不動産上の権利(借地権・地上権など)、現金、預貯金、株式、有価証券、動産(自動車・貴金属・骨董品など)、ゴルフ会員権、リゾート会員権など
マイナスの財産
借金、未払金、ローンなど
相続財産を調査する際には、金融機関などで残高証明書の取得、不動産については固定資産税納税通知書や名寄帳を取得することで財産の調査及び価格を確認していきます。
尚、相続財産が一定の額を超える場合は、相続税の申告が必要となります。
相続の方法
相続には、財産を一切相続しない「相続放棄」、条件付きで引き継ぐ「限定承認」、相続財産をすべて引き継ぐ「単純承認」の3つの相続方法があります。
相続放棄
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないことをいいます。主に借金が多い場合に利用します。
相続放棄は、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
相続放棄については、『相続放棄をしたい方へ』のページをご覧ください。
限定承認
限定承認とは、相続によって得たプラスの財産の限度で、マイナスの財産を引き継ぐことをいいます。遺産の調査をした結果、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか分からない場合に活用します。
限定承認も、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。ただし、相続放棄と異なり、限定承認は相続人全員で行う必要があります。
単純承認
単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続することをいいます。相続放棄や単純承認の手続きの期限である3か月を超えた場合、単純承認したことになります。
相続財産の分け方
遺言書による相続
遺言に記載された内容で相続財産を分ける方法です。
被相続人が作成した遺言書がある場合、相続財産をどのように分けるかは、まずは遺言の内容が優先されます。
遺産分割協議による相続
相続人全員で誰が何を相続するか話し合いをして決めます。相続人全員で話し合う必要があり、一部の相続人を除いた遺産分割協議は無効です。
遺産分割協議については『遺言書がない場合の遺産の分け方』のページをご覧ください。
調停、審判による相続
相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合もあります。その場合は、家庭裁判所において、遺産分割の話し合いをする遺産分割調停があります。調停は、家庭裁判所の調停委員が各相続人の言い分を聞いて、合意形成を目指します。
さらに、調停でも話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所が審判という裁判で遺産分割の内容を決める遺産分割審判があります。
当事務所の業務について
相続人の調査
戸籍謄本等を収集し、相続人の調査を行います。
詳しくは『戸籍謄本等の収集・相続人確定』のページをご覧ください。
相続財産の調査
不動産については固定資産評価証明書や名寄帳を取得、金融資産については金融機関等から残高証明書を取得し、相続財産の調査を行います。
借金が多い場合は相続放棄の検討も必要になります。
相続税の申告が見込まれる方には、税理士をご紹介いたします。
財産⽬録の作成
相続財産の調査の結果、必要に応じて財産目録を作成します。
法定相続情報一覧図の取得
戸籍謄本等の収集後、必要に応じて法定相続情報一覧図を取得いたします。複数の金融機関で相続手続きが必要な場合は、法定相続情報一覧図があると便利です。
遺言の検索
平成元年以降に公正証書遺言を作成していた場合、遺言の検索が可能となります。
法務局に保管している自筆証書遺言については、法務局への照会が可能です。
詳しくは『遺言書の調査方法・探し方(遺言検索)』のページをご覧ください。
自筆証書遺言の検認
法務局に保管していない自筆証書遺言を見つけた場合は、家庭裁判所での検認が必要となります。
詳しくは『遺言書が見つかったら(遺言書の検認)』のページをご覧ください。
遺産分割協議書の作成
相続人全員の話し合いでまとまった遺産分割の内容を書面にします。作成後、相続人の皆様にご署名・ご捺印をいただきます。
詳しくは『遺産分割協議書の作成』のページをご覧ください。
相続登記(不動産の名義変更)
預貯金の解約、名義変更
株式・有価証券の解約、名義変更
遺産分割協議の内容に沿って、相続登記については管轄の法務局へ、預貯金については金融機関へ、株式や有価証券については証券会社等で手続きを行い、相続財産を分配していきます。
当事務所では上記の手続きを代行いたします。
また、相続税の申告が見込まれる場合には、税理士をご紹介いたします。当事務所とのやり取りだけで、ほとんどの相続手続きを終えられます。
相続が発生した場合にどのように手続きを行っていくべきかお困りでしたら、お気軽に当事務所にご相談ください。